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Photo by Kondo Atsushi
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「何かを頑張ろうと思った時に、頑張るスイッチが押せる自分の状態だったらいい」
上田桃子 #2
今回登場いただいたアチーバーは、プロゴルファーの上田桃子さんです。10歳でゴルフを始め、2005年にプロテストに合格。07年のライフカードレディスで初優勝を飾り、その年5勝を挙げ史上最年少の21歳で賞金女王に輝きました。08年からの6年間は、アメリカ女子ツアーに挑戦。「どん底だった」という苦しい時期となりましたが、その経験が大きな成長につながったと語ります。勝負強さと、爆発力を兼ね備え、ここまで日本ツアー通算15勝、米ツアー1勝。トップ選手として輝き続ける上田さんから「昨日の自分を越える」ための言葉を探っていきます。 今回は、全4回連載の第2回目をお送りします。
Q:どのようなフィールドでも、モチベーションを維持するのはすごく重要で、難しくもあります。世界のトップで戦ってこられた経験から、高いレベルで目的意識を保つためのアドバイスやヒントはありますか?
モチベーションを保つにはどうしたらいいですか?って後輩に聞かれたりとか、インタビューで聞かれたりすることもあるんですけど、「モチベーションってそんなずっと持てなくない?」って正直思うんですよ。何かを頑張ろうと思った時に、頑張るスイッチが押せるような自分の状態だったらいいのかなと思いますし。そうじゃない時に無理をしないっていうのをすごく大事に思ってます。Q:頑張る方向が明確になり、「やる」と決めた時に、それまで貯まったエネルギーを爆発させるような?
例えば、すごくいろんなものを捨てて、それをしなきゃいけないことになっても、やりたいと思ったらやっぱり絶対にやってましたし。お金がかかることでも、自分でどうにか手配してでも、それをするっていう執着は多分、小さい時からあったので。(スイッチを)押すと決めたら周りの人に手伝ってもらってでも多分押してると思います。Q:絶対に達成したくなる目標、夢をいかに見つけるかも大切だと思うのですが?上田さんは、特に学生時代は、どのように目標を立てていたのですか?
(両親が)自分の意思を尊重してくれていたのが大きかったかもしれません。あまのじゃくだったこともあり、人から「あぁしなさい」「こうしなさい」と言われていたら、逆にやりたくないと思っていたかもしれません。そう言われなかった分、自分でいつも何かを見つけようとしていて、それが見つかった、という感じですね。見つかった時にボタンを押すかどうかは、いつも自分で決めて、舵を切っていこうと思っていました。親にお尻を叩かれなかったことで探求心が持てたのかなと。Q:自分で見つけたスイッチだから継続もできると。スイッチを押した瞬間、自身の中に「押した」という感覚はあるのですか?
分かりますね。なんでかっていうと、そこで1度考えて、本当に自分がやりたいことなのかとか、本当に興味があることなのかとか。(スイッチを)押すときって、常にゴールを切れるわけじゃないので、途中で脱線したりしたときでも、そこにやっぱり到達したいっていうぐらい押したいものなのかっていうのを考える時に、ある程度覚悟がいるので。だめだった時の事も絶対に考えるので。それを考えてでも、それでも押してみたい魅力的なものなのか、ことなのかっていうのはやっぱ考えますね。Q:大事な決断をするときは、熟考してなのか、感覚的に即決するのか。道を選ぶときのポイントのようなものはありますか?
直感を結構大事にするので、あんまり(決断するまでの時間は)長くはないと思います。考えれば考えるほど悩んじゃったり、迷っちゃったりするじゃないですか。小さい時から、服を買ったりするのも、本当に自分の直感で着たいか着たくないか、欲しいか欲しくないかみたいなのを大事にして、決断力にあまり時間をかけないようにしていました。Q:明確な目標と、決めた目標に向けて「昨日の自分を超え続ける」姿勢で、プロ2年目には史上最年少で賞金女王に輝きます。ただ、達成感と同時に、次の「スイッチ」をみつけるのに苦しんだとも伺いました。
私は多分、人よりも成功って言われる結果が早かったので、あまりいろんなことを経験せずしてトップになれたっていうことに、もちろん嬉しさもあったんですけど、少し寂しさもありました。「え、もう取れちゃったの?」っていう感じでした。私、漫画にしてもゲームにしても、映画とかにしても、2回見たりするタイプじゃないんですよ。1回知ったらもういいやって思ってしまうタイプで、あんまりその先にはワクワク感はなくて。「あーあ、もうクリアしちゃったか」という感じでした。Q:大きな目標を達成し、次の目標設定が難しかったということですか?
これ以上の目標を何に持ったらいいんだろうっていうのが正直な気持ちで、1番になりたいって走ってる時はやっぱり1番になることだけを目標に頑張ればいいだけなので、すごくシンプルなんですけど。細かいディテールにこだわったりすると、限界がないと言うか、完璧主義になっていっちゃう。それは自分の性格にもそんなにマッチしていなくて、きついなあって思ってしまいます。細かいところができてなくても、結果1番になれれば良くない? っていうタイプなので。細かいところにモチベーションを見つけられなかったのかもしれません。…上田さんの「THE WORDWAY」。次回の♯3はアメリカツアー時代に迫ります。「苦しかった」と振り返る6年間、悩み抜いた末に見た世界とは―。人生はうまくいく時ばかりではない。壁と向き合い、乗り越えるための「言葉」を探ります。
THE WORDWAYでは、読者から、アチーバーの記事を読んだ感想を募集しています。記事を読んだ感想、「昨日の自分を超える」トリガーになったこと、アチーバーの方々に届けたい思いなど、お送りください。いただいたメッセージは、編集部から、アチーバーご本人に届けさせていただきます! アチーバーに声を届けるPROFILE
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上田桃子(うえだ・ももこ)1986年(昭61)6月15日、熊本県生まれ。9歳からゴルフを始め、2005年にプロテストに合格。07年ライフカードレディスで初優勝。
同年5勝を挙げ史上最年少21歳で賞金女王に輝く。08年から6年間、米女子ツアーに参戦。日本ツアー通算15勝、米ツアー1勝。2021年に結婚を発表し、同年ZOZOと所属契約を結ぶ。身長161㎝。
HOW TO
THE WORDWAYは、アチーバーの声を、文字と音声で届ける新しいスタイルのマガジンです。インタビュー記事の中にある「(スピーカーマーク)」をクリック/タップすることで、アチーバーが自身の声で紡いだ言葉を聞くことができます。 CATEGORY
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上田桃子(うえだ・ももこ)1986年(昭61)6月15日、熊本県生まれ。9歳からゴルフを始め、2005年にプロテストに合格。07年ライフカードレディスで初優勝。
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