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Photo by Kondo Atsushi
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「気持ちのままに突き進むことで、行動がついてきたり、変わってきたりする」
上田桃子 #1
今回登場いただいたアチーバーは、プロゴルファーの上田桃子さんです。10歳でゴルフを始め、2005年にプロテストに合格。07年のライフカードレディスで初優勝を飾り、その年5勝を挙げ史上最年少の21歳で賞金女王に輝きました。08年からの6年間は、アメリカ女子ツアーに挑戦。「どん底だった」という苦しい時期となりましたが、その経験が大きな成長につながったと語ります。勝負強さと、爆発力を兼ね備え、ここまで日本ツアー通算15勝、米ツアー1勝。トップ選手として輝き続ける上田さんから「昨日の自分を越える」ための言葉を探っていきます。 今回は、全4回連載の第1回目をお送りします。
Q:21歳での賞金女王から14年がたち、昨年は結婚もされました。35歳となった「今」、ゴルフ、プライベートも含めて、どのようなことを大切にされていますか?
35歳だからとか、女性だからとか、ベテランだからとか、いろんな考え方があると思うんですけど、どれも間違ってないなと思っていて、ただ自分はこう生きたいって思う選択をしてるっていう感じです。Q:すごく「自然体」に感じるのはなぜでしょうか?
例えばそれが人に自慢できるようなものじゃないかもしれないですし、人から見たら自由に生きてるって見られるかもしれないですけど、自分の人生なので。最終的にはこう生きたかったって思えるのが一番いいかなと思っています。Q:自身の根底にある感情に正直に、どんな自分でも受け入れることが大切だと?
そうですね。こうやって話してるんですけど、多分話してる中でこうありたいと思っている部分もあって、結構、自己肯定が一番苦手なので。パっと聞くと「別に簡単じゃん」って思うんですけど、肯定することって、いろんなことを受け入れないといけないので、意外と難しいんですよね。Q:若い頃からそういう考えを意識されていたのですか?
以前は逆で、自己肯定できないでここまで来たんです。それに、若い時からそうするのが良かったのかは、分からないじゃないですか。肯定ばっかりしていても、もしかしたらエネルギーみたいなものは生まれてこないかもしれないですし。反発したいと思う時はそれでいいんじゃないかなとも思うんです。Q:10歳でゴルフを始め、いろいろな葛藤や壁を乗り越えてこられたわけですが、あらためてキャリアを振り返った時に、ゴルフへの向き合い方の変化、反対にここだけは変わらないというところはありましたか?
初めて3日間(ボールに)当たらなかったっていうところが、自分の負けず嫌いのスイッチを押してくれたのと、いまだに「できた!」って日が1回もなくて。それまで(どんな)スポーツもできていたタイプだったので、自分にできないことがあるっていうのが悔しかったのと、面白かったって言うか。だから、飽き性の私でも続けられたんじゃないかと思います。探究心がもともとあったわけではないんですけど、知ろうとしないと、答えが見つからない分、何も跳ね返ってくるものがないっていう。毎日毎日何かを知りたいなっていう衝動に駆られて、いつも考えながらゴルフをしているって言うのが、もう10…20年ぐらいですかね、続いている感じです。Q:プロとして生きていくと覚悟を決めたのが、高校3年生だったとうかがいました。どんな社会人でも、人生において、重要な「選択」が求められる場面はおとずれます。上田選手は、プロゴルファーとして生きていくという選択に、不安はなかったのですか?
若い時の、目に見えない根拠のない自信じゃないんですけど、「人間の持ってる能力って、昔から10%も使ってないんだよ」っていう話を聞いて、それを鵜吞みにしていました。10%しか使ってないんだったら、本気になったら残り90%ぐらいあるんだから、本気になった人はプロになれるでしょって。なので、なれないことを考えなかったというか、なれなかったとしても多分「あぁ、じゃあちょっと努力が足りなかっただけだな」って思って、努力を続けてプロになることをあきらめなかったと思います。Q:大切なのは、ポジティブに自分を信じるということですか?
基本的にはあまり自分の可能性みたいなものを、疑ったことがないので、何かを始める時とかもそうなんですけど、その時その時でチャンネルを合わせて、覚悟を決めてスタートボタンを押せば、そうなるって感じできてたのかなとは思います。やるって決めてからは、もう本当にゴルフだけに全てを注いでいたので。(プロになるために)練習も1日1000球ぐらい打ってましたし、やれることは全てやろうと、全部を注いでいました。Q:覚悟を固めても、高い目標に向けて「やり続ける」「やり抜く」ことは簡単ではないように思います。上田選手が、「昨日の自分を越える」ために大切にしてきた行動や、信念のようなものはありますか?
自分の気持ちにいつも正直にいたというところがすごく大きいと思っています。何でも自分で決めたことに対しては責任が出てくると思うので。例えば両親がプロになってほしいと思ってるから、プロゴルファーを目指す人もいると思うんです。ただ、本当に自分がなりたいって思ったら、それを成し遂げるためだったら、やりたくないことでもやるし、「これ以上頑張れない」なんて思わないんじゃないかなと。。(私が)プロになるっていうのは、自分自身が思ったことだったので、我慢だったりが最初に来なかったと言うか。遊びたいと思った時には遊んでたし、練習したいと思った時には練習してたので。やっぱり自分の気持ちに正直にいると、「なぜ」練習するのかをも自然と考えるし、より効率化を求めるようにもなると思うんです。Q:自分が心底やりたいという気持ちを土台にすることが、困難に向き合ったときの力になると?
「今しかできないことを全力で」っていうのは小さい時から思っていたので、いつか絶対プロになるだろうから、やっぱりその時にしかできないことを優先してやっていたなと、その時から思います。だからこそ、プロになるって決めた時は「あ、もうやらなきゃいけないんだな」ってスイッチに切り替えられたというか。気持ちのままに突き進むことで、行動がついてきたり、変わってきたりするんじゃないのかなと思いますね。…上田選手の「THE WORDWAY」。次回♯2は上田さんが目標を定めた瞬間に意識的に押すという「スイッチ」の存在について聞きます。目標への最初の一歩の踏み出し方、新たな挑戦をかき立てる「言葉」に迫ります。
THE WORDWAYでは、読者から、アチーバーの記事を読んだ感想を募集しています。記事を読んだ感想、「昨日の自分を超える」トリガーになったこと、アチーバーの方々に届けたい思いなど、お送りください。いただいたメッセージは、編集部から、アチーバーご本人に届けさせていただきます! アチーバーに声を届けるヒデタロさん
素晴らしい企画ですね。上田桃子プロには、1日でも長く現役を続けてもらいたいと思っています。応援しています。Go momo Go!!ムーミンさん
私とは比べ物にならないことだらけですが、直感、目標、スイッチを押せるまでの過程だったり、努力はやはり素晴らしいです。桃子プロ自身は、自分がライバルであり、納得いくまでやり通すことが、ごく当たり前のよう。負けず嫌いだった私も、そこが違うんだなとつくづく思いました。ずっと応援していますので、このまま負けず嫌いを突っ走って欲しいと思います。その先には目標が絶対達成するはずです。PROFILE
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上田桃子(うえだ・ももこ)1986年(昭61)6月15日、熊本県生まれ。9歳からゴルフを始め、2005年にプロテストに合格。07年ライフカードレディスで初優勝。
同年5勝を挙げ史上最年少21歳で賞金女王に輝く。08年から6年間、米女子ツアーに参戦。日本ツアー通算15勝、米ツアー1勝。2021年に結婚を発表し、同年ZOZOと所属契約を結ぶ。身長161㎝。
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上田桃子(うえだ・ももこ)1986年(昭61)6月15日、熊本県生まれ。9歳からゴルフを始め、2005年にプロテストに合格。07年ライフカードレディスで初優勝。
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