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Photo by Kondo Atsushi
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「自分でやるって決めたことに対しては、執着してできるし、信念を曲げない」
澤村拓一 #1 (メジャーリーガー)
THE WORDWAYの記念すべき最初のスピーカーはボストン・レッドソックスの澤村拓一さんです。 高校はチームで4番手の投手だった澤村さん。大学で才能を開花させ、2010年にドラフト1位で巨人に入団します。1年目で新人王を獲得するなど活躍するも、怪我により低迷し、3軍落ちも経験しました。しかし、2020年にロッテに移籍して復活、更にシーズンオフにメジャー挑戦を表明、ボストン・レッドソックスに入団して、現在はチームの主力として活躍されています。 数多くの栄光と挫折を経験しながら、今も飽くなき挑戦を続けている澤村さんから、「昨日の自分を超える」ための言葉を探っていきます。 今回は、全3回連載の第1回目をお送りします。
Q:浮き沈みのキャリアの先にあった、米国での成功ですが、それをたぐり寄せた、澤村選手にとっての「揺るがない物」とは何でしょうか?
自分に責任を持つことじゃないですか。失敗を受け入れる覚悟もそうだし、その覚悟に対して、自分に対して、責任を持つことでもあると思っています。Q:10年以上もプロの世界で戦い抜いてきた澤村選手が、その覚悟を持てた要因は何だったのですか?
僕の価値観ですけど、やり続けることこそが能力だし才能だと思うんです。物事って、できるかできないかじゃなくて、やろうとするかやろうとしないか。やろうとしてる姿が見えるんだったら それはそれで立派だと思う。よく「努力が報われる」って言うじゃないですか。でも、そうじゃなくて、報われるまで努力をし続けることが、やり続ける能力だと思うんです。やろうとしてやり続けて、できない人もいっぱいいるし、僕も色々やって、これ失敗だったなって思うことあります。でも、それはやってみなきゃわかんないから。よく「トレーニングしたい。」とか「〇〇がしたい」「〇〇になりたいって」口で言ってるのに、やらない人いっぱいるじゃないですか。本当にやる人は、口よりも先に動いてます、絶対に。僕自身、今まで野球に関してやってきたことに対してだけは自信を持ってます。Q:野球を始められたのが小学2年生の時。いつ頃その「覚悟」が芽生えたのですか?
野球をやるまでは全部途中までで続かない子だったんですが、人よりも投げれたり、ホームランも多く打てるのが楽しくて。小4の時に高校野球で松坂大輔さんを見て「横浜高校に行ってドラフト1位で野球選手になる!」っていうのが最初の目標だった気がします。高校では活躍できなかったのですが、大学でも続けられるってなって初めて、野球選手への可能性が出てきたかなと。その時に、自分の好きなことを仕事にできたら、楽しいというか、本職なんだろうなって思い始めました。Q:明確な目標ができて、どのような行動を意識するようになりましたか?
僕は、大学4年間でプロ入りが決められなかったら、卒業後はもう野球は続けないつもりでした。それを親に宣言して大学に行かせてもらったので、ほかの選手とは覚悟が違ったかもしれません。野球そのものが生活だったんです。大学では、練習がきつくて練習をサボる人も多かったですが、そんなに裕福でもない親のスネをかじって野球を続けさせてもらってて、その気持ちを考えると逃げる気にもなれなかった。だからこそ練習しました。執念というか、責任というか。今でも、みんなで呑んだりしてると、「野球選手っていいよな」とか、言われる時があるんですけど、「いや!俺、お前らよりやってきたもん」って言います。今では笑い話なんですけど、サークルで集まって飲み会してるような雰囲気が、その当時はものすごく嫌いで。そういった意味では、同じ野球部でも覚悟が違ったと思います。Q:大学時代にはプロになることが夢ではなく、プロで活躍することが夢になっていたという話も聞きました。
大学2年生の秋が終わって、 成人式を迎える頃には、僕自身の中では「俺もうプロ行けるわ」って思っていました。でも、監督から、大卒でプロに行くんだったら1年目から活躍して金を稼がなくちゃいけないと、4年間言われ続けてきました。 言葉は悪いですけれど「テメエのことはテメエでやれ」と。誰も助けてくれない世界だし、自分のことは自分でやるっていうことをずっと言われていました。Q:現状に満足せず、すぐに明確な次の目標を持てたのはなぜなんでしょうか?
難しいですね。ただ、自分でやるって決めたことに対しては、とにかく執着してできるし、信念を曲げないです。それがなければ、栃木の高校の4番手ピッチャーで、最後5番ライトのやつが、大学4年間でプロに行けるわけないですから。やり続けられなかったこともたくさんありますけど、後悔はしてないです。誰も助けてはくれないですからね。Q:ビジネスの世界でも、自分に自信を持てずに信念を貫けない人は少なくありません。澤村さんは、なぜぶれずに進み続けられるのでしょうか?
逆に言えば、そこしかないですよね。長所が。身体が強いとかももちろんありますけど、そこしかないです。何も長けてないんで。才能は別にあるわけじゃないし。あとはもう、自分の可能性を信じることですね。澤村さんの「THE WORDWAY」。 次回♯2では、どん底の澤村さんが、「弱さを受け入れることで手にした強さ」について語ります。 目標に向かい、揺るがない信念を築くための「言葉」にご期待ください!
THE WORDWAYでは、読者から、アチーバーの記事を読んだ感想を募集しています。記事を読んだ感想、「昨日の自分を超える」トリガーになったこと、アチーバーの方々に届けたい思いなど、お送りください。いただいたメッセージは、編集部から、アチーバーご本人に届けさせていただきます! アチーバーに声を届けるPROFILE
- 澤村拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日、栃木県栃木市出身。中央大学から2010年ドラフト1位で巨人に入団。1年目に11勝を挙げて新人王を獲得し、その後も先発や抑えとして活躍。17年以降は故障もあり3軍を経験するなど精彩を欠くシーズンが続いたが、20年9月にロッテに移籍したことで復調。同年オフに海外FA権を行使してメジャー挑戦を表明し、名門レッドソックスと契約。メジャー1年目の21年は、勝ちパターンの一角でフル回転し、55試合に登板5勝1敗10ホールド、防御率3.06と活躍した。
HOW TO
THE WORDWAYは、アチーバーの声を、文字と音声で届ける新しいスタイルのマガジンです。インタビュー記事の中にある「(スピーカーマーク)」をクリック/タップすることで、アチーバーが自身の声で紡いだ言葉を聞くことができます。 CATEGORY
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